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NFTの税務上の取り扱いについて

米国Twitter社のCEOによる世界で最初の投稿が、約3億1,500万円で売却されたり、一見すると落書きのようなイラストが数百万円で売却されたりと、NFTという言葉がニュースやネット上で急に目にするようになりましたが、売った側や買った側の税務上の処理はどのようになるのでしょうか?

NFTとは?税務上の取り扱いは?

NFTとは簡単に言うと「改ざんが難しいブロックチェーン技術を使い、所有者情報などを保証するデジタル資産」です。通常デジタルデータは無限に複製が可能ですが、このデジタルデータに複製や改ざんができないデジタル証明書のようなものを付加することにより、いわゆる一点モノのような価値をデジタルデータに持たせることができるようになります。

デジタル証明書の情報を持たせたまま転売が可能であること、その価値が変動することから、資産としての性格を持つと考えられますが、NFT取引の課税関係については、現段階で税法上明確化されていません。今後正式な取扱いが公表されるものと考えられますが、実際に取引が発生している以上は無申告というわけにはいきません。

まず、NFT(Non‐Fungible Token)は直訳すると代替不可能なトークンということになりますが、ここでいうトークンとは、ビットコインやイーサリアム等があらかじめ総量や供給量が決められていて人間の意志では増減させることができない通貨タイプの暗号資産(仮想通貨)であるのに対して、トークンは発行者が存在し、自由意思によって発行できる資産タイプで、ブロックチェーン上で発行されているため、非代替性が裏付けられたデジタル上の資産であると仮に定義づけておきます。

現時点(令和3年9月30日)において、暗号資産(仮想通貨)に関する税務上の取扱いについては、国税庁より「暗号資産に関する税務上の取り扱いについて(FAQ)」が発表されていますが、この情報によってNFTに関する税務上の取扱いについて判断するには無理があるため、このページにおいて弊法人の見解をまとめ、正式な取扱いが発表されるまでの申告上の指針としたいと考えています。

なお、NFTは、デジタル上の取引であるため仮想隠ぺいは不可能であり、税務調査による所得隠しが発覚する可能性が極めて高いため、所得の発生した年分による当初からの申告を強くお勧めいたします。

①所得税法上のNFTの課税関係の検討

暗号資産(仮想通貨)における所得計算のように、NFTの売買による利益が全て雑所得に該当するといったことは現時点では考えられません。つまり、NFTの売買であったとして、その対象となった資産や売買した方個人の状況により、事業所得、譲渡所得、雑所得など様々な所得に区分される可能性があると考えます。

例えば、デジタルトレーディングカードやゲームアイテムですが、趣味でデジタルトレーディングカードを取得し、その高騰ぶりから、短期で転売した場合、譲渡所得に該当し、譲渡価額から取得費用や譲渡費用を控除し、さらに譲渡所得の特別控除額である50万円を限度として控除を行い、譲渡所得の金額を計算します。同一年に同じような譲渡があった場合でも特別控除額は50万円が限度です。この場合の譲渡所得は総合課税ですから、他の所得と合算して税額を算出することとなります。

また、趣味が高じてデジタルトレーディングカードやゲームアイテムの売買が複数回に及び、その他のNFT関連の売買も始めるなど、偶然ではなく儲けを意図したものであるというレベルに達した場合には、雑所得に該当するものと考えられます。

さらに、同様な売買を反復継続し生活の糧となる程度までの収入に達したあるいは達する見込みであるとの考えに及んだ場合には、事業所得に該当することとなるとも考えられます。この場合、事業開始から2月以内に開業届及び青色申告承認申請書を提出し、適正な正規の簿記の原則により記帳を行えば、青色申告特別控除等の特典が受けられます。

次にデジタルアート作品を自ら作成しNFTとして売却した場合には、本業がアーティストで、継続的に芸術活動をしているのであれば事業所得に該当、芸術活動はしているもののそれほど収入はないが、さらにNFTによるそれほど大きくない売却収入があった場合は雑所得、普段はほとんど芸術活動していないが、偶然NFTによる売買が成立し利益を得たというのであれば譲渡所得に該当すると考えられます。

デジタルアート作品の場合、データ自体が作者の手を離れても流通時に作者に一部の収益が還元されたり、継続的にインセンティブが得られようにするなどプログラミングにより継続的に収入が得られるようにしたりすることも可能ですが、そのような収入は、事業所得又は雑所得となると考えられます。

また、NFTを保有するということが、その著作権を保有するということにはならないため、プログラマビリティを活用しなくても作者に著作権料が支払われる可能性がありますが、これも事業所得又は雑所得に該当すると考えられます。

さらに、NFT同士の交換があった場合ですが、合理的な時価が算定できない場合には、円貨や他の暗号資産(仮想通貨)との取引時に収益を認識することも容認される可能性があると考えます。

逆に、NFTを取得する際には、イーサリアム(ETH)等の暗号資産(仮想通貨)で支払うことが多いと思われますが、その際支払いに使った暗号資産(仮想通貨)は譲渡したという扱いになりますので、その使った暗号資産の価額と譲渡原価等の差額は雑所得となります。

②NFTに係る消費税の取扱いの検討

暗号資産(仮想通貨)を譲渡した場合の消費税について、国税庁から発表されている「仮想通貨に関する税務上の取り扱いについて(FAQ)」では、暗号資産(仮想通貨)は支払手段及びこれに類するものの譲渡とされ非課税とされていますが、NFT取引についてはどうでしょうか。

NFT取引は支払手段ではなく資産の譲渡と考えられるため、暗号資産(仮想通貨)とは別にアプローチすることが必要です。

まず、NFT取引による消費税の課税関係について国内取引に該当するかがポイントになりますが、消費税法上は資産の譲渡の場所が明らかでない場合には、資産の譲渡を行う者の譲渡に係る事務所等の所在地で内外判定を行うこととしています。従ってNFTを譲渡した者の住所・事務所等が日本国内の場合には国内取引に該当し、消費税の課税対象となりその譲渡対価には消費税が課税されます。

非居住者に対して譲渡をした場合については、NFTはおおよそ無形固定資産と考え、非居住者に対する無形固定資産等の譲渡とみなして輸出免税と考えます。一方、NFTを日本国内に住所・事務所等がある者から購入した場合には課税取引となり、仕入税額控除の対象となります。

NFTを海外取引所から購入した場合には、海外取引に該当し消費税は非課税となります。