最高裁が外国通貨同士の取引で生じた為替差益は「課税対象」と初判断
去る令和8年6月16日最高裁において、外国通貨取引と「収入すべき金額」に関して初めて判断が示されました。
まず、日本円を外国通貨に変換しただけでは為替差損益は生じませんが、例えば、円が1ドル160円の時に1,600,000円で10,000ドルに変換し、これを円が1ドル200円の時に円に戻した場合には、その時点で円換算額は2,000,000円となりますので400,000円の為替差益が生じ、これを雑所得として申告しなければなりません。
また、1ドル160円でドルに変換した10,000ドルを9,000ユーロに変換して、その時に1ユーロが180円だったとすると、これを円換算すると1,620,000円となりますので、20,000円の為替差益が生じることになります。
さらに、1ドル160円時に10,000ドルに変換し、その後1ドル170円時に10,000ドルの株式を購入。その後1ドル170円時に12,000ドルで株式を売却した場合には
【株式購入時】
為替差益 170円×10,000ドル-160円×10,000ドル=100,000円
【株式売却時】
株式譲渡益 170円×12,000ドル-170円×10,000ドル=340,000円
となります。
ただし、1ドル160円時に10,000ドルの株式を本邦通貨で購入し、この株式を1ドル170円時に12,000ドルで売却したとすると
譲渡益は、170円×12,000ドル-170円×10,000ドル=340,000円
為替差益は、170円×10,000ドル-160円×10,000ドル=100,000円
あるいは
譲渡益は、160円×12,000ドル-160円×10,000ドル=320,000円
為替差益が、170円×12,000ドル-160円×12,000ドル=120,000円
とはならず、
株式の譲渡益440,000円として認識することとされています。
上記は、表面上同じことをしているようにも見えますが、先にドルに変換してから、株式を購入すると、株式購入時に為替差益を認識しなければならないということです。
この為替差益は雑所得となりますので、同じ年内であっても譲渡所得と雑所得に区分されるため、所得税額に差が出るとともに、年をまたぐとこれも所得税額に差が出ることとなります。
また為替差損として雑所得がマイナスになったとしても他の所得との損益通算ができないため、所得税上は不利な扱いとなる方が大半と考えられます。
従って、外貨建て有価証券等の購入時、外国通貨に変換せず、直接本邦通貨で購入するのが一般的には有利と考えられます。
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