経営通信

ミニマムタックス税制について

ミニマムタックス税制について

超富裕層を対象に課税を強化

ミニマムタックス税制とは、株式の譲渡益や配当など分離課税制度により、税負担率が低くなっている超富裕層を対象に、所得に応じて最低限の税負担が求められる制度です。

この制度は、令和7年分の所得税から導入されていますが、令和9年分からさらに課税が強化され、対象となる方の大幅な増加が見込まれますので令和8年分に合わせて令和9年分についてもここで解説いたします。

ここにおいては基準所得金額という考え方が導入され、その金額から3.3億円(令和9年分からは1.65億円)を控除して、22.5%(復興特別所得税を加えると22.9725%、令和9年分からは、30.0%、復興特別所得税を加えると30.63%)を乗じた金額が、この税制を考慮しないで計算した所得税額を上回る場合にはその差額を追加で納税するというものです。

ここにおける基準所得金額とは、従来の(総所得金額+分離課税の各種所得金額)といったイメージですが、以下詳細に検討していきます。

【基準所得金額の内訳】

◯不動産所得及び事業所得

売上から各経費及び青色申告であれば青色申告特別控除額を控除した後の金額(損失であれば他の所得からの控除も可能)

◯役員報酬及び給与

総支給額から給与所得控除額を控除した後の金額

◯一時所得

一時所得の金額から50万円を控除した金額(2分の1にする前の金額)

退職所得

退職給与から退職所得控除額を控除し2分の1にした金額

◯譲渡所得(株式及び配当)

上場株式と非上場株式を区分し、上場株式は、証券口座が違っていてもすべての株式の譲渡益、配当と譲渡損失を合算して算出された金額(申告不要としていた分も合算対象)、非上場株式についても譲渡益が合算対象

◯譲渡所得(不動産)

居住用財産の3,000万円控除等各種控除、譲渡経費等控除後の金額

※ただし、上場株式等の繰越損失は基準所得金額から控除しない。

このように、多額の株式の譲渡所得や配当所得、不動産の譲渡所得などがあった場合には、ミニマムタックス制度により追加の所得税納税が生じる場合がございますので検討が必要です。

またM&Aなどにより会社を売却した場合、通常株式の売却益と退職金のバランスを考慮して税金対策を講じる場合がございますが、今後は、このミニマムタックス制度も考慮に入れて最適な税金対策をとることが必要といえるでしょう。

さらに上場株式等の株主等で、大口株主等に該当しない方、多額の株式譲渡益のある方等も個人と法人の株式保有割合等再検討が必要な方もいらっしゃるでしょう。

ミニマムタックス税制に関するご相談はBPS国際税理士法人までお気軽にどうぞ。

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